[大津市/SE構法/長期優良住宅]
日々の快適とこれからの暮らしを考えた平屋の家
のどかな田園風景に囲まれた集落の一画にあるN様邸。
当初は築120年の日本家屋をリフォームされる予定でリフォーム専門の会社に見積り依頼をされたました。
しかし、間取りや設備の変更とともに断熱改修や耐震補強を行うとなると想像以上の金額に。
そこで、たまたまご家族の仕事のつながりから楠亀工務店にご相談をいただきました。
母屋や老朽化した藏などを将来も維持していく負担を考えてみた結果、それらを撤去し建て替えをする方針に変更。
また、建物は楠亀工務店の施工事例としては珍しい平屋に。
これは、ここで生活されるご夫婦とそのお母様の暮らしやすさを考慮した結果です。
また、冬は古い日本家屋のすきま風に悩まされてきたN様のご希望は「暖かく快適な家」でした。
それを叶えるべく高断熱・高気密工法を採用した楠亀の家づくりには、「冬の日中はエアコンがいらないほど」とたいへん喜んでいただいております。
これから数十年先の暮らしを見据えた間取りや設備、そして日々の快適さをお考えになられているみなさまには、ぜひご参考にしていただきたい事例です。
- 所在地
- 大津市
- 延床面積
- 171.00m²
- 構造
- 木造2階建(SE構法)
- 耐震等級
- 等級3(最高等級)
- 温熱等級
- 等級4(最高等級)
楠亀工務店の施工事例として珍しい平屋のプラン。
母屋とその周囲に建っていた複数の藏を整理して、ゆとりのある敷地を創出することで実現できました。
アプローチから玄関へ。外観デザインは「和風モダンで」とだけご要望をお伝えいただき、あとは楠亀工務店におまかせ。
長くせり出した軒が印象的です。また、夏期の日射遮蔽にも大きな効果があります。
道路側からリビングへの視線をさえぎる目隠しをさりげなく。平屋建築は周囲からのプライバシー確保がポイントになります。
玄関ホールはかつての母屋の土間をイメージした広い空間に。親戚が集まった時でもゆとりのある空間となっています。
リビングルームはゆったりしたソファを生活の中心に。以前は「和室でコタツ」の暮らしだったそうですが、
「これから先、立ったり座ったりがしんどくなってくるだどう」とN様。
大きなソファーを置いてもリビングにゆとりのスペースがあるのは、広々とした空間設計が得意なSE構法ならでは。
リビングルームの一角を凹ませてパソコーンコーナーを造作。
「デスクから椅子までつくってもらいました」遊びにこられたお孫さんもここでお絵描きを。
「ピカピカのフローリング材は、なんとなく落ち着かないので」と、リビングルームの床はオーク材をバトン仕上げ。
N様ご夫妻が丸2日かかり、ご自身で塗装された無垢材を使用しました。
パソコンコーナー同様、TVボードと飾り棚も造作しました。
上階が無い平屋であるため、屋根いっぱいまで天井を上げることができます。
高さ方向にもゆとりを感じる開放感のあるLDK空間になりました。
北側の空に面した天窓を設置することで、リビングの奥まで自然光が届きます。また、夏はこの天窓を開けることで室内の熱気を排出します。
「夏、外から帰っては玄関を入ったときの涼しさに驚きます」とN様。
キッチンカウンターとダイニングテーブルも造作で。「建て替えに際して買った家具はソファとローテーブルだけ。あとは全部つくってもらいました」
「キッチンとテーブルがひと並びのレイアウトは、配膳もしやすく家事も楽です」と奥様。
かつては藏に収納していたという食器類を収める大容量のキッチン収納。ダーク系のパネル色が空間を引き締めます。
一番奥には、パントリーも設けました。
大人数が集まることも想定し、2部屋をつなげて使うこともできる6帖と8帖の和室。
来客動線を考え、玄関横にレイアウトしています。
陽当りの良い南側の和室には縁側と雪見障子を。
縁側の突きあたりは来客用の座布団などを入れておく収納となっています。
主寝室にはN様がご要望されたウォークインクローゼットを。
内側を桐材貼りにすることで、桐たんす同様の防湿、抗菌効果を得ることができます。
お母様の個室には専用の洗面台とお手洗いを設置。また、部屋を出るとすぐに浴室があるため、
少ない移動距離で快適に暮らしていただくことができます。
洗面所のある北側の廊下にも天窓を設けることで太陽の明るさを届けることができます。日中は照明が不要です。
【お客様の声】
当初は築120年の日本家屋をリフォームする予定で、リフォーム専門の会社に見積りを依頼しました。しかし、間取りや設備の変更とともに断熱改修や耐震補強を行うとなると想像以上の金額に。そのような時、たまたま家族の仕事のつながりで楠亀工務店を知っていたことから、相談にのってもらいました。
実際に家を見て検討してもらったところ、母屋はたとえ耐震補強をしたとしても、それを支える地盤が弱いため大きな地震では倒壊の危険を拭えないことが判明。また、母屋やそのまわりに建つ藏や敷地を囲う漆喰塗りの壁を今後も維持していくために、まとまった出費がずっと続くことは大きな負担に。いずれ子世代、孫世代に引き継いでもらうであろう「敷地全体のこれから」を考えてみた結果、母屋および老朽化した藏に自分たちの代で区切りをつけ、建て替えをすることにしました。
暮らしてみて感じたのがとにかく暖かいこと。外気温がマイナス4度の冬の早朝、暖房なしでも室内は14度、前夜の暖房の熱を依然キープした状態です。建て替えの際に「エアコンの補助として念のため」と残しておいた石油ファンヒーターは、結局使わずじまいです(笑)。また、高断熱・高気密のために採用したダブルガラスの樹脂サッシは、遮音性にも優れているため、表を通る自動車の音も気にならずとても静かに暮らすことができます。
元々リフォームを予定していたこともあり、新築についてはさほど勉強をしていませんでした。そのため、「自分たちが快適で安全に暮らせること」に要望を集約し、楠亀さんと相談を重ねていきました。そして提案してもらったのがSE構法により耐震性能が高く、高断熱・高気密工法による温熱環境に優れた家。また、バリアフリーについても、日々の暮らしの動線や使い勝手、そして数十年先の暮らしを見据えて、体に負担がかからないような様々な工夫を凝らしてもらいました。
さらに、親戚などが集まることを想定したスペースの確保や、座布団や食器類の収納も考えてもらうなど、私たちの生活にそった家づくりをしてもらい、とても喜んでいます。
代々引き継いできた母屋や藏を取り壊しての建て替えは大きな決断でしたが、現在の暮らしの快適さを考えると、楠亀さんにはほんとうに良いアドバイスをいただいたと思っています。